ワンパンマン　ヒーローノーバディノウズ対戦Wiki

　発売当初こそジェットダイブの優秀さが注目されたが、派手な歪みに満ち溢れていたこのゲームでは陽が当たることは少なかった。当時は多くゲージを吐いても10割コンで決めるべきであり、ボロスの弾からの拾いも未発見だった頃は覚醒技の補正切りもあまり意味をなさなかった。

　加えてコンボが伸びないことやもともとのキャラ人気のためか、強さが注目され始めたのは「R2ボタン押しっぱなしで△連打すると後半の硬直がキャンセルされる」という"仕様"が見つかったことである。これはあのバグチンレーザーに有利をつけ、答えのないキャラを徹底的に詰ませる類のものであった。この当時からダメな方向性の強さを持ち味としていたキャラであったのだ。

　一部のキャラが凄まじい弱体化を受け、ゲーム全体が低火力化し、最強の崩しが消えてなくなった中、待ちの強さからくる圧倒的な立ち回り性能を持つボロスと阿修羅カブトは早いうちから強キャラとされた。そんな中阿修羅の△から交代DAが繋がり、ボロスの弾からもダウン補正を無視して火力を出すことができるメタルナイトに注目が集まることは必然であり、なぜか修正されなかった"仕様"と合わせて高い処理性能を誇った。
　「ワンパンマンの強キャラといえばボロスメタルナイト阿修羅」という風潮ができ始めたのがこの頃である。もっともこの三体が同時に入れられることは意外と少なかった。タンクトップタイガーもまた強かったのである。　
　
　そしてミサイル連打の合間に繰り出される溜め□の対処を迫っていた。

　覚醒時の操作不能時間を利用して強制的に覚醒技を当てる様々なセットプレイでワクチンや深海王、モス娘が脚光を浴び、アマイマスクですら投げ覚醒で飯を食っていたが、メタルナイトとプリズナーはそもそもの覚醒の仕様上その恩恵に預かることができなかった。しかし、現在まで続く中距離で溜め□(通称:ロケパン)撃ちステップを踏んだ相手をジェットダイブで狩るお馴染みの連係の凶悪さ、見えないDA、補正切り超必の存在などから地位は揺るがなかった。

　猛威を振るったミサイル連打がついに弱体化され、交代ボーナスの仕様変更もあり10割コンボが横行し始めた中で、コンボ性能の低いメタルナイトは恩恵に預かることができなかった。環境的には逆風が吹き荒れていたのだが、あいも変わらずロケパン・ジェットダイブ・DA・アホほどゲージを稼ぐ投げの4種の神器を振り回しクソキャラとして憎まれた。交代の仕様変更によりジェットダイブから拾いやすくなったり、猛威を奮っていたカニランテの投げからダウン追い討ちで追撃可能+補正を切る超必と地味に追い風も吹いており、ワクチンマンやボロスには劣るものの依然強キャラの一角であったと言えよう。

　DAが交代キャン可能になり、それに対してこちらも交代キャン可能になった溜め弱を置くというこれまでとは大幅に異なるゲーム性になり、交代ボーナスの仕様変更によりさらにやりやすくなった10割が横行する中で、こいつはその全ての恩恵をフルに受けた。受けてしまった。
　速い上に見づらいため元々強かったがガードされた際に誤魔化すために3ゲージを払って読み合いする必要があったDAはノーリスクでぶんぶん振り回せるようになり、溜め弱のロケパンはその射程で普通のキャラの溜め弱より事故を引き起こしやすく、交代キャンの仕様変更により唯一の弱点であったコンボ性能がかなりマシになるという欠点のなさである。元からヒールキャラとしての地位を確立していたがいよいよ磐石のものとなった。
　ある意味決定的であったのが、交代キャンの仕様変更によるサイタマとの相性の良さである。暗転後0フレのジェットダイブによる待ち性能とダウン追い討ちの空弱を活用してサイタマを呼ぶキャラだったところに、交代コンボ性能の高さが加わったため、同じく待ち性能の高い技からコンボができるボロスと組むと交代ガード→相手の技振りを確認→どちらかの必殺技からコンボという一連の流れを徹底することによって高いリターンと盤石さを両立することが可能となった。サイタマの使用上一度でも何か当てれば相手は攻めざるを得ないため、これらの待ちに強制的に付き合わせることになり、サイタマから逃げ切れるキャラ以外は、不毛な戦いを強いられた。地味にボロスの暗黒エネルギー波のダウン拾いによるダメージ補正をメタルナイトの超必が無視するところも見逃せない。
　ひたすら交代ガードを繰り返しゲージ技から作業のような単調なコンボを行うだけのこの寒い編成は、ワンパンマン最後期の結論パであるとされ、10割環境にNOを突きつける盛り下げを以って9月の秋風と共にロビーを冷やした。